ノーザンファーム繁殖牝馬セール2021に続き、
10月27日(水)にはジェイエス秋季繫殖馬セール2021が新ひだか町の北海道市場にて開催されました。
新ひだか町静内にある競走馬の総合商社、株式会社ジェイエス主催の繁殖牝馬セール。
昨年、牝馬3冠を達成したデアリングタクトの母デアリングバードや
障害G1・7勝馬オジュウチョウサンの母シャドウシルエットがこのセールで取引されたのは有名ですが、
今年のセントライト記念を制したアサマノイタズラの祖母オペラレディもこのセールで取引されました。
また、今年のエプソムCの勝ち馬ザダルの母シーザシーもザダルを出産した後に
このセールで取引されており、日高の馬産の活性化に一役買っています。
7時30分の開場から続々と来場した購買者たちは過ごしやすい気温のなか、
思い思いに繁殖馬の馬房を回ってチェックしていました。
購買者たちの熱い視線に、送り出す方の生産者たちも馬を引く手に力が入ります。
せりに向かう直前、緊張の面持ちを見せる上場馬を牧場スタッフが優しく支えます。
最高価格馬は上場番号62番、パイネ(2017年生、17戦入着、未供用、父ディープインパクト、母ミスアンコール)でした。
祖母が重賞6勝のブロードアピール、全兄にダービー馬ワグネリアン、
全姉はアネモネSを勝ったテンダリーヴォイスという血統馬で、(有)グランド牧場に5100万円で落札されました。
上場頭数:217頭(前年215頭)
売却頭数:154頭(前年140頭)
売却率:70.97%(前年65.12%)
平均価格:3,683,214円
売却総額:567,215,000円
(税込)
株式会社ジェイエス代表取締役の服部健太郎氏はセール後のインタビューで
「昨今の状況を鑑みますと、繁殖牝馬をそのままキープして生産して来年の1歳市場に出した方が…と考える方が多いと思いますので、
みなさんが声をかけていただいて良い数字は取れたのではないかと思います。
血の入れ替えをしたい人というのは一定数いますので、そのニーズに応えることはできたのではないかと思っています」
とコメントしました。
ジェイエスは翌1月にも冬季繫殖牝馬セールを予定しています。
このセールが2021年最後のサラブレッド市場となりました。
今年は1歳市場などでオンラインビッドが周知されたように、ウイルスと共存しながら少しずつ前へ向かって歩みを進めた年でもありました。
来年は一日も早く通常の生活が戻ってくることを切に願います。